古典では、墻靡といわれる花。それが薔薇なんですね。薔薇は鑑賞だけではなく、ローズオイル、ローズウォーター、ハーブとして、貴重な役割を果たしてきています。
もともと薔薇の花からとれる精油は微量。ダマスク・ローズ(Rosa damascena)とよばれる薔薇に、「花の女王」と呼ばれるブルガリアローズがあります。花弁の精油はRose otto(Attar Rose)と呼ばれる花精油は、2,500本のバラからわずか1ccしか作れないというとても貴重なローズオイル。花弁を蒸留するとローズウォーターが。
このオールドローズの系統はダマスクローズのほかに、ガリカ、アルバ、そしてケンティフォリア(センティフォリア)があげられます。
ローズ・ド・メイの別名を持つロサ・センティフォリア 。マリー・アントワネットが好んだ香水に、ロサ・センティフォリアの天然ローズオイルが調香されていたといいます。ダマスクローズとはまた違う、あまやかな香りは「蜂蜜」の香りとも譬えられています。
アントワネットのロサ・センティフォリアは、南フランスのグラース産です。その薔薇から、
資生堂は、「ローズロワイヤル」と名付けた、フランス国立香料協会の保証書つきのパルファム(\21,000 32ml)とオードパルファム(\6,300 50ml)を、限定で11月に発売になります。調香師ナタリー・ロルソン。
このロサ・センティフォリアという薔薇。アントワネットの何枚もある肖像画で、私達も目にしていますね。
ロサ・センティフォリアの薔薇は
こちらをご覧ください。
アントワネットの複数の肖像画は
こちらです。
さて、マリー=アントワネットの調香師ジャン=ルイ・ファルジョン。ファルジョンのアントワネットに関連する書籍、調合された香水、アントワネットのパルファムボトルが、残っています。
アントワネットは薔薇や菫の香りを好み、プチ・トレアノンの庭園で、多くの花々を栽培し、香り風呂を嗜んでいたといいます。乾燥させた薔薇、白檀、クローブ、コリアンダー、ラベンダーを混ぜたサシェも宮廷で流行らせましたといいます。
Louis XVI et Marie-Antoinette (アントワネット)は、フェルジオンに「花の破壊」、「ヴィーナルの油 Oil of VINARU 」という名のオリジナルの香水をつくらせました。
追記
この当時の調香の様子は、映画「パフューム ある人殺しの物語」からご覧いただけます。自然の樹脂や花を焚き、蒸留する場面などがありますよ。
記事「パフューム ある人殺しの物語」 から どうぞ。
4枚の写真 右から
「A Scented Palace: The Secret History of Marie Antoinette's Perfumer」
「香りの宮殿:マリー・アントワネットの香師の秘史」Elisabeth De Feydeau (著), Jane Lizop (翻訳)は、「マリーアントワネットの香水-ジャン=ルイ・ファルジョン」と同じ著者です。この書籍が香水「王妃の香り」を復活させました。
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「王妃の香り」
このマリー=アントワネットの香水は、香師フランシス・クルクジャンが、王室付調香師ジャン=ルイ・ファルジョンが執筆したとされる事典から、「マリー=アントワネットの調香師、ジャン=ルイ・ファルジョン」(共同出版 Perrin/Château de Versailles)を、エリザベット・ド・フェイドー(歴史学者)と執筆にあたり、この文献から研究を重ねて、忠実に再現されたものです。
左が マリー・アントワネットの香水「王妃の香り M.A. Sillage de la Reine(王妃の目覚め)」で、バカラのクリスタルフラコン製、 右が ポルチュー(Portieux)のクリスタルボトル「M.A. Sillage de la Reine」(by Château de Versailles)。フランシス・クルクジャン氏の調香。
王妃の香りは、バラとアイリスに、ジャスミン、チュベローズ、オレンジの花のアクセント。ヒマラヤスギや白檀の香りをほんの少し加え、仕上げには2種類のラスト・ノート、ムスクと貴重なグレイ・アンバー。
王妃の香り(王妃の目覚め)の購入→日本語サイトの案内はありますが、フランスサイトでの申し込みになります。
Jean-François Quemin
デラックス版 10個(バカラのクリスタルフラコン製)8 000 €
限定版 1000個(ポルチューのクリスタルボトル)350 €(5万5千円ほど)
申し込み先 jean-francois.quemin@chateauversailles.fr
ポルチューのクリスタルボトルは、2006年7月から販売されています。今後の販売予定はないようです。
【 引用・要約】 ©
Château de Versailles
【参考サイト】
BBC NEWS/
Marie-Antoinette perfume revived
「マリーアントワネットの香水-ジャン=ルイ・ファルジョン」
18(XVIIIe)世紀の香水の、彼女へのオーダーが書かれています。
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「マリー・アントワネット香水瓶」
携帯用の皮革ケースに入ったボトルは、旅行用でしょうか。
Fraser, Antonia
Absorbing biography setting the record straight on a controversial and misunderstood figure, by one of our most popular historians. Spoken Word Award winner.Format: Audio Tape
では、実際にアントワネットが使用していたFlacon(フラコン:小瓶、香水瓶)をご紹介します。
Flacon
アントワネットの持ち物として現存するフラコンです。フランス国立美術館所蔵だったと記憶。同じスタイルの6つのフラコンが並んでいます・このスタイルのレプリカとして、マリー・アントワネット香水瓶として販売されているようです。
Baccarat(バカラ)は、司教が村の復興のため、ルイ15世の認可を受け、窓ガラスや鏡を製作しました。当時サン=タンヌ Sainte Anne と呼ばれていますが、ルイ16世の時代には、家具職人などが、こういったフラコンを手がけていたこともあります。
アントワネットのお抱えで有名なのは、エリザベット=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランのほか、Pierre Gouthière(1732-1813) 。ブロンズ像制作者で、木の葉が特徴的とされていますので、もし骨董などで時代、国がわかれば、彼の作品かもしれませんね。そのほかベネマン、ヴェイスヴェレ と トミール、指物師兼彫刻家のジョルジュ・ジャコブ、ポンパドゥール夫人の創設による王立セーブル磁器が、ルイ16世時代の調度品や装飾品を手がけていました。
可憐でありながら、政治力がなかったために、国民から憎悪されたアントワネット。いまだに彼女の可憐さは滅びることがないのが不思議です。
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アントワネットのショコラ ドゥボーブ・エ・ガレ
オペラ座の書庫さま、記事にてリンクありがとうございました。
「オペラ座の書庫」バルダさんの記事はこちら→
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